慶福寺歳時記

四季折々に見つめなおす、
仏のみ教え、いのちの連なり。

日本は豊かな自然と四季折々の風景に彩られた美しい国です。
私たちの祖先はこのような風土と向き合うことで、独自の文化を育んできました。
唯一無二の日本であればこそ、その宇宙観・宗教観もたったひとつのもの。
それは私たちが世界に誇ることのできる、かけがえのない精神的財産です。
当寺で行われるさまざまな行事を通じて、
日本という国ならではの瑞々しい感性に触れてみてください。



春の境内

平成20年(佛暦2573年)慶福寺行事予定
1月  1日(火) 修正会・初詣/午前0時より
 6日(日) 新年役員会/午後3時より

7月 15日(火) まにわ塔総回向会と放生会
                /午前10時より
31日(木)〜8月1日(金) 施餓鬼受付
                 盆供受付
3月 17日(月) お斎(十三仏念仏講)
17日(月)〜23日(日) 春彼岸
20日(水) 
春分彼岸中日
        まにわ塔納骨堂回向/午前10時より

30日(日) しだれ桜観月祭/午後7時より
8月 13日(水) お盆迎え火
13日(水)〜15日(金) 盂蘭盆
        ※棚経は「蓮田市東、馬込」
16日(土) 施餓鬼会/午後3時より
  〃    
灯籠流し/午後7時より  
        お盆送り火
28日(木) 
護摩供と奉納踊り/午後7時より
4月  8日(火) 花祭り(釈尊降誕会)
16日(水) 
大般若経転読会と慶福会総会
        /午後2時より
9月 19日(金) お斎(十三仏念仏講)
20日(土)〜26日(金) 秋彼岸
23日(火) 
秋分・彼岸中日
        まにわ塔納骨堂回向・授戒会
        /午前10時より
5月         座禅の会(止観会)/日時未定 12月 31日(水) 除夜の鐘・古札お焚き上げ
            受付/午後11時より
※緑字の催しはどなたでもご参加いただけます。

花祭り(釈尊降誕会)
誕生仏と花御堂
「花祭り」はお釈迦さま(ゴータマ・シダールタ)のご生誕をお祝いするお祭りです。マヤ夫人がルンビニーの園でお釈迦さまをご出産なさったとき、天から龍が降りてきて清浄な水を吹き潅ぎ、産湯をつかわせたという故事にならって、色とりどりの花で飾った「花御堂」に誕生仏を安置し、その頭上から「甘茶」を潅いでお祝いします。お釈迦さまがそのご生涯をかけて説かれた教えは、2500年余りを経た現在においても私たちの生活の中で光彩を放ち続け、仏教に帰依しない方であっても知らず知らずのうちにその恩恵に浴しているといえます。「花祭り」の日には人類に偉大な贈物を残されたお釈迦さまに思いを馳せ、ご自身の心も洗い清めるつもりでお参りしたいものです。

大般若経転読会
大般若経
「大般若経転読会」は「西遊記」で知られる三蔵法師がインドから持ち帰った「大般若波羅蜜多経」600巻の一部を転読(題目と品名を読み上げながら経典を繰り広げて読誦に擬する)する法会です。「諸法皆空」の理法を説くこの大乗経典を供養するものは般若守護の十六善神によって護持されるという経説により、古く奈良時代より全国で広く行われてきた行事です。当地においては疫病や災厄の侵入しやすいこの春先の季節を選んで行われてきたもので、かつては村人数名が経典を担ぎ、僧侶と共に村を巡りながら一軒づつ祈祷して歩く姿がみられたようです。

まにわ塔総回向会と放生会
祈願塔「まにわ塔」および「まにわ塔納骨堂」の完成にともない、平成14年より執り行われる新しい法会です。納骨堂内精霊各位への回向に始まり、過去・現在・未来にわたるすべての生命に慈しみを振り向け、その幸せを皆様と共に祈念します。さらに「放生会」では、水棲生物の放流や植物の種の配布などを行っていく予定です。

盂蘭盆
盆棚
「お盆」の呼び名で親しまれている現在の「盂蘭盆」は、ご先祖様を家にお迎えし、3日間家族同様に食事などを供養してお帰しする行事として定着しています。異界から戻ってきた者を供養して帰すという風習はけっして日本だけのものでなく、ケルト文化に起源をもつハロウィンなどのように世界各地においてもさまざまな形で受け継がれています。効率という面ばかりが重視される今日にあって、子供たちと一緒に盆棚を飾ったり、提灯を灯して歩いたりという、非日常世界がもつ情操的豊かさや繊細で美しい風景などを、ぜひとも誇りを持って大切にしていきたいものです。

施餓鬼会
「餓鬼」とは前世の悪業によって食べ物を口にすることができず、つねに飢渇に苦しむ者のことをいいます。これらの餓鬼に清浄なる食を施して満足させ、さらに5種の仏の力によって救済する法会が「施餓鬼会」です。また、施餓鬼会に参加して塔婆を建てたり浄財を寄進したりすることは、法会の主催者となることを意味し、その善行の功徳はご本人だけでなく亡くなった方々へも回し向けることができます。当寺では昔からこの法会をお盆行事の一環として行ってきており、その年に新盆を迎える新しい精霊さまをはじめ、ご先祖さまの追善の機会としてご参加を呼びかけています。なお、平成14年より施餓鬼会終了後「総送り火」て「精霊流し」を行っておりますのでぜひご参加ください。

不動護摩供と奉納踊り
当寺では毎年8月28日の不動縁日に、世界の恒久的平和と皆様の心願成就を祈念して護摩供を修します。特に予約の必要はなく、ご来院いただいた方の願い事をその場で祈願します。護摩供のあとは、例年下蓮田婦人会の方々のご協力をいただきながら、境内の櫓を囲んで踊りが奉納されます。休憩時間には花火やアイスが振舞われ、子供たちにも夏休み最後の楽しく和やかな空間となっています。お近くの方はぜひお立ち寄りください。

授戒会
現在、一般的に「授戒会」が行われる機会といえば、じつはお葬式なのです。生前に仏弟子として戒を授かる機会がなかったために、死出の旅路を前に仏門に入る儀式を行っているのです。その結果、戒を受けた証として「戒名」を授かるわけです。ここでいう「授戒会」では、さらに本来の意義に立ち返り、生前に戒を受けていただくことによって、仏教を拠り所とした積極的な生き方を見出していただこうというものです。ご参加いただいた方にはまず戒についてご説明した後、授戒会を行い「戒名」をお授けいたします。「戒名」とは本来、どんなに長いものであっても信士・居士などの文字の上にある「二文字」のことをさします。それ以外の部分については、その方のご生涯を表すものですので、原則として生前授与はないことになります。また「戒名」にはご本人のご希望も取り入れたいと考えますのでお申し出ください。なお、亡くなったあと居士・大姉などの号が授与されるのは、仏法または寺門の興隆に篤行がある場合か、社会的に大きな功労がある場合などです。院号にいたっては、一箇寺を建立したというほどの意味ですから大変なことです。ただし、これらは金銭的な功績に限ったものではありません。第三者から見て明らかに篤行と認められるような場合には授与されております。

除夜の鐘
除夜の鐘
「除夜の鐘」は毎年400人余りの参詣者で賑わう大晦日の恒例行事で、境内では古いお札や縁起物などのお焚き上げが行われます。「除夜の鐘」の響きには人間が持つ煩悩(心身に苦悩を生じさせる心のはたらき)を消除する力があるといわれています。去りゆく1年を振り返って自らの過ちを懺悔しながら鐘を撞き、来る1年の心願をご本尊さまの前でご祈願ください。そして、鐘を撞くときには、その鐘の音が世界全体に響き渡り、悩み苦しむすべての人々の心が安らかになるようイメージしながら心を込めてお撞きください。

RETURN
表紙に戻る